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仕事ではホウレンソウは大切です。部下からの相談が多いのは良いことでしょうか?
管理職には権限があります。管理職の承認を得なければならないこともあります。また、部下は管理職と比べれば知識も少なく、経験が乏しいものです。部下が何でも相談出来るとすれば、信頼関係が出来ている証拠です。それは良いことです。必要なホウレンソウが行われているのは、チームとして機能していることの証の一つです。
しかし、何でもかんでも相談してくるとしたら問題があります。
管理職から見れば部下は未熟で頼りないものです。部下の判断に任せるのは危なっかしいと思うでしょう。
そこで多くの管理職は、相談されれば答えや具体的な指示を与えます。実はこれは部下にとって楽なことです。まず、自分で考えなくても良いから楽です。そして、自分で決めたことではないので、責任を持たなくて良いです。
管理職にとっても、部下の判断に任さず自分が判断し、指示するので対処は適切で、大きな問題に発展することも少ないでしょう。部下から頼られるのは、上司として気分が良いものです。部下も機嫌良く働いてくれるでしょう。こうして、部下からの相談は続き、増えていくことになります。
これを繰り返していると、どうなるでしょう?
何でもかんでも上司に相談し、指示を仰ぐようになるでしょう。部下からの相談事項の多くは、今、現場で起こっていることへの対処がほとんどです。すぐに対応しなくてはなりません。上司は部下の対応に多くの時間を取られ続けるでしょう。そして管理職としてしなくてはならないことが後回しになるでしょう。
さらに問題があります。それは部下が成長しないことです。判断能力を上げるには、まず自分で考え、判断しなくてはなりません。そして自分の判断が正しいかどうかを結果として実感することが必要です。判断が悪く、悪い結果を招くかもしれません。それも成長のために必要な経験です。判断に責任が伴うから、判断への真剣さが増すのです。
では、部下を育てるには、どうすれば良いのでしょうか?
相談に来ても、すぐに答えを与えず、自分で考えさせることが重要です。
相談に来たら、部下の判断と意見を聞きましょう。意見がなければ、考えた上で、再度相談に来るように伝えましょう。そして部下の意見を出発点として、一緒に対策を考えるのです。
部下からの相談が多いことは悪いことではありません。しかし、それは部下の成長の機会を奪っているかもしれません。部下の育成は管理職の重要な役割の一つです。
部下が成長すれば、相談は減るでしょう。一つひとつの相談に必要な時間も減るでしょう。そして、管理職がしなくてはならないことをする時間も確保出来るでしょう。
部下からの相談への対応を変えてみませんか?
長尾 洋介
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