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部下を守れない上司はダメだと言われます。それは本当でしょうか?
部下から上司に対する不満でしばしば聞かれることに、上司が守ってくれない、というのがあります。何らかの問題が起こった時、部下に責任転嫁するなど、いつも責任逃れをする上司もいるようです。もちろん、このような管理職は管理職の行動として不適切です。
実際、問題が起これば管理職は責任を免れません。管理職の上司もバカではありません。管理職が責任逃れをしようとしていることは分かります。いくら部下のせいにしたとしても、言い訳としか受け取りません。そして、部下に原因があったとしても管理職にも責任があると考えます。
どれだけ部下に問題があっても部下を守ろうとしたり、全ての責任を自ら被ろうとする管理職は格好良く見えるかもしれません。そして部下から人気があるかもしれません。しかし、それも管理職として相応しい行動ではありません。
問題が起こった時にすべきことは二つです。一つは問題を解決することです。これは管理職が中心となって対処すべきことです。
そしてもう一つは問題を再度起こさないために原因を究明し、対策を考え、実行することです。原因には部下の課題もあるかもしれません。管理職の課題もあるかもしれません。そして部下と管理職との関係性やコミュニケーションに課題があるかもしれません。問題は単純に一つの理由で起こることは稀です。複数の要因が重なることで起こります。そして誰か一人に関係する要因で起こることもありません。複数の関係者とその連携の中で起こります。
問題が起きた時、部下から詳しく聞いてみると、考えの甘い部下もいます。指示や指導通りにせず、ホウレンソウも不十分なまま進めた中で問題を起こすことが多い部下もいます。中には自分のことを棚に上げて、実際に問題が起こると上司が守るのが当然だと主張する部下もいます。このような部下も仕事人として問題があります。
問題が起こった時、上司は部下をただ守れば良いのではありません。もちろん上司にも課題はあります。そして部下との連携を機能させるのも管理職の役割です。それはそれで見直し、改善しなくてはならないでしょう。しかし、それだけでは不十分です。それでは部下の課題に目をつぶることになり、部下の成長の機会を失うことになります。
問題が起こった後に重要なのは部下を守ることではありません。管理職自身の成長、管理方法の改善、そして部下の育成の機会として活用することなのです。
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長尾 洋介
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