オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。
スキルを持っていることには価値があります。しかし、スキルが活かせるかどうかは別の問題です。
Excelは多くの職場で使われている表計算ソフトです。使ったことがない人の方が少ないかもしれません。もちろんベテラン社員も使っているでしょう。ところが、これらの一般的に使われているソフトであっても、導入時には今のようにきちんと体系的学んでから使い始めるようなことはありませんでした。
今は、Excelを体系的に学ぶことができます。就職のために、きちんと学ぶ人も多いようです。修了証を持っている人もいれば、資格を持っている人もいます。これはExcelのスキルを持っている証明になります。仕事を探す上で有利に働くでしょう。
しかし、スキルを持っているだけで仕事ができるわけではありません。逆にスキルを持っていることがかえって邪魔になることもあります。
職場では、体系的に学んだこともなく、スキルがあるとは言えない人がExcelを使って仕事をしてます。Excelのスキルを持っている人が見ると、拙い使い方に見えるでしょう。改善の余地が多く見つかるでしょう。自分が作ればもっと良いものにできると思うでしょう。
そこでExcelを手直ししようとしても、どうすれば良いか分からないことに気付くでしょう。まずはすべき業務があり、その業務を効率的に行うためにExcelを使っているのです。もちろん、Excelを使うことで、速く正確に業務を行うことができます。しかし、元々の業務のことが理解できていなければ、どのような表を作れば良いのかが分からないのです。
先日、会社から与えられたリスキリングの機会を利用して、Excelを体系的に学んだベテラン社員の話を聞く機会がありました。今使っているExcelの表も、新たに知った関数やマクロを使うことで、より効率的に業務が行えるようになったそうです。Excelの機能の一部しか使っておらず、改めてExcelの凄さを認識したと言っていました。
実はこの職場で、Excelの上級資格を持った新入社員がいて、Excelの表を作ってもらったことがあったそうです。見た目も綺麗で使いやすいものができたそうです。作る前に業務のことを説明し、作る途中でもいろいろと質問してきたことにも答えたそうです。ところが、全く使い物にならなかったそうです。
ここではスキルの一例としてExcelのケースを紹介しました。Excelだけでなく、ほとんどのスキルは、ただ持っているだけでは使えません。どんな業務にも目的があります。前提条件や制約条件があります。前工程と後工程とがあります。つまり、仕事の全体像が理解できていなければスキルを活かすことはできないのです。
持っているスキルを活かすために必要なのは業務全体を知ることです。しかもスキルは現場で使うものなので、ただ知っているだけではなく、実務レベルで理解していなくてはなりません。実はこの実務レベルでの理解というのは簡単ではありません。さまざまな背景、経緯があり、仕事では当然のようにイレギュラーなことが起こります。スキルはその全てに適応できるよう使わなくてはならないのです。
実務レベルの理解は、現場で実務経験を積まなくてはできないことです。スキルを学び、スキルを活かしたいと思うならば、まずは実務経験を積むことが必要です。持っているスキルを会社や職場が評価してくれない、使わせてくれないという不満を聞くことがあります。しかし、見方を変える方が良いです。いくら高いスキルを持っていても業務を十分に理解していなければ、任せられないのです。そのことを会社、上司、先輩は知っているのです。会社や上司が悪いわけではないのです。
スキルは業務のための道具でしかありません。実務で使い、効果や成果が出せて初めて価値を持ちます。これができるようになって初めて武器と言えるのです。もし自分のスキルを会社や上司が認めてくれない、使ってくれないことを不満に思っているならば、まずは業務をしっかりと理解することに力を注ぐことをお勧めします。
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長尾 洋介
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